新型コロナウイルスの影響でキャッシュレス決済の需要が増加していることはご存知でしょうか?
元々、2019年10月1日~2020年6月まで実施された「キャッシュレス消費者還元事業」によって、キャッシュレス決済を積極的に利用する消費者は増加傾向でした。
2019年11月 | 41% |
---|---|
2020年5月 | 50% |
2019年9月 | 26% |
---|---|
2020年4月 | 33% |
上述に加え、新型コロナウイルス感染症拡大によって、現金の受け渡し時に感染を懸念する消費者が増えたことで、キャッシュレス需要増加に拍車をかけております。
また、JCBがキャッシュレス決済利用者と店舗に対して行った調査では、
- 66%の消費者が「コロナ禍のくらしで、これまで現金で支払っていたお店でもキャッシュレス決済を利用するようになった」
- 63%のお店が「感染拡大に伴って、キャッシュレス決済の利用増えた」
と消費者・店舗双方から見てもキャッシュレス需要の増加が伺えます。
当サイトでも過去に「現金の汚い」にて、紹介した通り、不特定多数の手に触れる現金は多くの衛生的なリスクを抱えております。
キャッシュレス化推進が行われている日本ですが、現金は「衛生的なリスク」を抱えていることはご存知でしょうか。多くの場合、財布に入っている紙幣・硬貨は、飲食店で食事をしたり、洋服を買ったり、スーパーで食材を買ったりと流れにのることで、不特定多数[…]
本記事では、JCBが行った「コロナ禍のキャッシュレス動向調査」を基に、キャッシュレス需要の変化やお店はどういった決済方法を導入すべきか、導入後に何をすべきかなどお店向けのキャッシュレス決済導入を徹底解説していきます。
Contents
コロナ禍におけるキャッシュレス導入のメリットは大きく2つ
コロナ禍におけるキャッシュレス決済を導入する大きなメリットは、
- キャッシュレス需要の高まりによる売上増加
- お店で働くスタッフの精神的負担の軽減
上述の2点。
「街中にATMがあり、治安の面でも現金で十分」といった声も多かったキャッシュレス決済ですが、コロナ禍において感染対策といった重要な役割を持ったと言えるでしょう。
また、感染リスクに不安を感じているのは、消費者だけではありません。
お店で働く従業員は、不特定多数の人に触れるわけですから、いつ自分が感染するかわかりません。
ただでさえ、売上低下で将来に不安を感じている従業員が少しでも安心して働ける環境作りの一環として、キャッシュレス導入は行うべきでしょう。
次に、こうしたメリットを裏付けるJCBの調査結果を基に、キャッシュレス需要の変化を解説していきます。
コロナ禍におけるキャッシュレス需要の変化
JCBが2020年7月に行った「キャッシュレス決済に関する調査~コロナ禍におけるキャッシュレス決済事情~」では、消費者・お店、双方にアンケートを取り、キャッシュレス決済に関する利用実態の調査結果が公開されました。
ここでは、調査結果の一部を抜粋し、コロナ禍におけるキャッシュレス決済への需要変化を見ていきましょう。
約66%の利用者がこれまで現金払いしていたお店でもキャッシュレス決済を利用するようになった
「これまで現金払いをしていたお店でもキャッシュレス決済を利用するようになった」と答えた人は約66%と半数以上が回答。
年代別の調査結果は以下の通りです。
コロナ禍において、現金の受け渡しに抵抗を感じる人が増えたことが伺えます。
20代の増加が最も多いですが、50代の増加も多く見受けられることからキャッシュレス需要は、年齢層を問わず増加しているようです。
約48%の利用者がキャッシュレス決済が使えないお店の利用をやめた
「キャッシュレス決済が使えないお店を利用しない」と回答した人は約48%と半分近くを占める結果となりました。
2019年と2020年の調査結果は以下の通りです。
昨年と比べても10%近く上昇しており、「頻繁ある」「時々ある」と回答した人の割合の増加が見受けられます。
「キャッシュレス推進により使えるお店が増えたこと」「キャッシュレス決済を使ったことで利便性を感じた人が増えたこと」に加え、コロナウイルスの感染への懸念が要因と思われます。
上述の調査から「キャッシュレス対応=集客力アップ」が期待できることは間違いありません。
約64%のお店がキャッシュレス決済の利用が増えた
店舗やタクシードライバーなど、会計担当者へのアンケートで「コロナウイルス拡大によって、キャッシュレス決済の利用が増えた」と回答した人は約64%。
業種別の調査結果は以下の通りです。
コンビニでの利用増加が目立ちますが、元々キャッシュレス対応を積極的に行っており、利用できる決済方法が充実していることも要因の一つでしょう。
消費者だけでなく、お店側の多くがキャッシュレス需要増加を体感していることを考えると、今後の店舗ビジネスにおいてキャッシュレス導入は当たり前に行うべきといっても過言ではありません。
キャッシュレス対応は、客側だけなくスタッフの感染対策にもつながる
店舗スタッフの約62%が「会計で現金の受け渡しをするとき、新型コロナウイルス感染に不安に感じる」と回答しました。
コロナ禍のキャッシュレス需要の変化は、消費者側に向けられることが多いですが、店舗で働くスタッフの感染対策にも繋がります。
元々、人手不足が叫ばれる飲食業界では、家族への感染を恐れて退職する方も少なくないため、スタッフが感染しない環境作りも徹底する必要があります。
キャッシュレス化は、単純に消費者のニーズに応えるだけでなく、少しでも安心して働ける環境作りにつながります。
コロナ禍において導入すべきキャッシュレス決済とは?
感染症対策として導入するキャッシュレス決済を選ぶ上で重要なポイントは「接触」です。
キャッシュレス決済で利用者が最も多いのは「カード決済」ですが、決済端末で暗証番号を入力する必要があります。
決済毎にお店側が消毒できるため、不特定多数が触れる現金に比べればマシですが、できれば接触不要で決済できるものを導入すべきでしょう。
接触機会が少ないキャッシュレス決済は以下の3つが挙げられます。
- カードにおけるタッチ決済
- 電子マネー決済
- QRコード決済
各キャッシュレス決済のついて詳しく解説していきます。
クレジットカードを端末にかざして決済できる「タッチ決済」
日本ではまだまだ知名度が低いカードによる「タッチ決済」は、後述する非接触型電子マネーのように決済端末にクレジットカードをかざすだけで決済が完了します。
これまでのカード決済は、店舗の決済端末にカードを差し込み、暗証番号の入力(またはサイン)を行う必要がありました。

「接触機会を極力減らしたい」のに、カード決済のたびに人の手が触れることに抵抗を感じる人も少なくないでしょう。
そのため、カード決済端末は「タッチ決済」対応のものを導入すべきです。
手軽に導入できる決済サービスでは「Square」が挙げられます。
ただし、カードのタッチ決済は、「暗証番号の入力」や「サイン」といった本人確認の作業を省くため、決済額の上限が1万円までとなっております。
端末への接触が少ない「電子マネー決済」
「クレジットカードのタッチ決済」同様に、ICカードやスマホを店舗の決済端末にかざすことで決済が完了する「電子マネー決済」。
暗証番号の入力といった端末への接触ありません。
電子マネー決済に対応可能な決済サービスは数多くありますが、「Quicpay」に対応しているものを選ぶことをおすすめします。

多くの電子マネー決済は少額での利用を想定しているため、一度に決済できる上限金額が「100円~20000円」で設定されております。
しかし、「Quicpay」の場合は、決済額の上限がありません。
※利用者の契約によっては上限2万円
「Quicpay」は、決済金額の上限が高いだけでなく、クレジットカードと紐づいて決済するため、高単価商品を扱うお店や会計金額が高い場合でも利用される機会が少なくありません。
QRコードの読み取りで決済を行う「QRコード決済」
話題のQRコード決済はその名の通り、QRコードを読み取ることで決済が完了するため、店舗の端末に触れる必要がありません。

QRコードの設置のみで導入できるため、導入費用がかかりません。
また、PayPay等の一部の決済サービスは、直接契約を行うことで、決済手数料が無料で利用できます。
決済した売上金の入金サイクルが早いサービスを利用すべき
一部のお店では「コロナによる売上低下によるキャッシュレス離れ」が起こっているようです。
大きな理由は、売上低下による資金繰りの悪化です。
キャッシュレス決済のデメリットとして、決済した売り上げがすぐに現金として手元に入らないことが挙げられます。
しかし、前述のJCBの調査で「キャッシュレス決済が使えないこと理由に約48%の人がお店の利用をやめた」ことを考慮すると、お店都合の理由であって消費者のニーズと逆行しているわけです。
そのため、「キャッシュレス決済を辞める」のではなく、「入金サイクルが早いサービスに乗り換える」ことをおすすめします。
数年前まで、キャッシュレス決済の売上金は、「月末締め翌月末払い」のものがほとんどでしたが、
決済端末の進化により、決済日翌日に売上金が入金される決済サービスも増えてきました。
消費者ニーズに応えられないお店が生き残るのは難しいため、キャッシュフローが問題なのであれば、現金として入金されるスピードの早い決済サービスを利用するべきでしょう。
コロナ禍における感染症対策におすすめの決済サービス
具体的にどういった決済サービスを使ってキャッシュレス決済を導入すべきかですが、
- カード決済と電子マネー決済に対応するなら「Square」
- QRコード決済に対応するなら「PayPay」
上記、二つのサービスがおすすめです。
カード決済と電子マネー決済に対応するなら「Square」

「Square(スクエア)」は、スマホやタブレットを使ったモバイル決済サービスです。
手持ちのスマホやタブレットをカードリーダーと接続して決済を行うため、導入費用が7980円(税込)と非常に安価です。
また、他社サービスと比較しても審査スピードが非常に早く、公式サイトから申し込みを行った直後からカード決済の利用が可能です。
ただし、squareはQRコード決済には対応していないため、QRコード決済は他社サービスを併用する必要があります。
「Square」の基本情報
- 対応決済ブランド全17種
- 全6種
VISA
決済手数料3.25%Mastercard®
決済手数料3.25%AMEX
決済手数料3.25%JCB
決済手数料3.95%DinersClub
決済手数料3.25%Discover
決済手数料3.25%
- 全11種
iD
決済手数料3.75%QUICPay
決済手数料3.75%suica
決済手数料3.25%PASMO
決済手数料3.25%Kitaca
決済手数料3.25%tolCa
決済手数料3.25%manaca
決済手数料3.25%ICOCA
決済手数料3.25%SUGOCA
決済手数料3.25%nimoca
決済手数料3.25%はやかけん
決済手数料3.25%
- 決済サービス詳細
- 決済手数料
3.25~3.95%
- 導入費用
無料※カードリーダー利用の場合は別途購入(7980円)
- 審査期間
最短当日
- カードリーダー
7980円(税込)
- モバイル端末
利用者が 用意
- 対応OS
iOS/andloid
- 入金サイクル
翌日or週1回
- 入金手数料
無料
- レシートプリンター
必要な場合は
別途購入
- サポート対応
10:00~18:00
※年末年始・臨時休業日除く
- 決済機能
- 対面決済
対応
- オンライン決済
対応
- 継続課金・月額課金
対応
- 請求書決済
対応
- POINT!
- 【申し込みが簡単】面倒な書類提出が不要!
- 【業界最速の導入スピード】最短当日からカード決済に対応可能◎
- 【途上審査重視型】利用状況を重視するため、他社サービスの審査が落ちた方でも利用できる可能性が高い
- 【豊富な決済方法】対面決済から請求書払いなど独自の決済サービスを提供
QRコード決済に対応するなら「PayPay」

QRコード決済は、多くの事業者がサービス展開を行っており、乱立している状況です。
多くのQRコード決済に対応した方が多くの消費者のニーズに応えることができますが、入金サイクル・決済手数料の2点を踏まえると「PayPay」がおすすめです。
以下は、主要QRコード決済の入金サイクルと決済手数料です。
決済手数料 | 入金サイクル | |
---|---|---|
PayPay | 無料※1 | 最短翌日※4 |
auPay | 無料※2 | 月1~2回 |
d払い | 無料※3 | 月2回 |
楽天ペイ | 3.24% | 最短翌日※5 |
※1.2021年9月末まで
※2.2021年7月末まで
※3.2021年3月末まで
※4.ジャパンネット銀行以外は決済額合計1万円以上ごとに翌営業日入金
※5.楽天銀行以外は翌営業日入金
PayPayであれば、決済手数料が無料で使えるだけでなく、入金サイクルも決済翌日に入金されるため、キャッシュフローへの影響も少ないです。
ただし、ジャパンネット銀行以外は、入金手数料が掛かってしまうため、
ジャパンネット銀行の事業用口座を併せて解説することをおすすめします。
また、PayPayは、QRコード決済のシェアトップであること点から導入すべき決済サービスと言えます。
「PayPay」の基本情報
- 対応決済ブランド全4種
- 全4種
PayPay
決済手数料無料ALIPAY
(中国向け)決済手数料1.98%ALIPAY HK
(香港向け)決済手数料1.98%kakaopay
(韓国向け)決済手数料1.98%
- 決済サービス詳細
- 決済手数料
無料
- 導入費用
無料
- 審査期間
最短1週間
- カードリーダー
不要
- モバイル端末
利用者が 用意
- 対応OS
OS不問
- 入金サイクル
ジャパンネット銀行は翌日入金
※他行は累計決済金額1万円以上ごとに翌々営業日
※月末締め翌営業日払いの月1回入金も選択可
- 入金手数料
無料
※ジャパンネット銀行以外は105円(税込)
- レシートプリンター
未対応
- サポート対応
年中無休
24時間受付
- 決済機能
- 対面決済
対応
- オンライン決済
別途、契約・システム開発が必要
- 継続課金・月額課金
非対応
- 請求書決済
非対応
- 3つの手数料が全て無料!
「初期費用」「決済手数料」「入金手数料」の3点全てが無料!決済手数料は「PayPay=2021年9月末まで」の期間、無料です。PayPay以外の外国人向けQRコード決済の手数料は1.98% と業界最安水準。
- POINT!
- 国内QRコード決済シェアNo.1!
- 決済手数料無料!
- 周辺機器不要!QRコードの設置のみで導入可能
クレジットカード・電子マネー・QRコード決済などお店がキャッシュレス決済を導入するには決済サービスへの申し込みが必須! 当記事では、6つのポイントで点数化し、これからキャッシュレス決済を導入する方にもわかりやすくランキング形式で紹介してい[…]
スマホやタブレットを使ったモバイル決済サービスは決済手数料や導入費用が安く、事業者の規模を問わずキャッシュレス決済に対応することが出来ます。モバイル決済サービスは、「Airペイ」「楽天ペイ」を始め、大手企業から中小企業まで様々な会社がサービ[…]
現在、キャッシュレス決済サービス・決済代行サービス各社では、導入や手数料に伴うお得なキャンペーンが実施されております。 通常時より決済手数料がお得になったり、導入に必要な周辺機器を無料提供するなど、サービスによって様々です。 こ[…]
導入だけではなく、キャッシュレス対応のアピールが必要
キャッシュレス導入を行ったところで、使えることがわからなければ意味がありません。
そのため、キャッシュレス決済を導入後は「使えること」をアピールしましょう。
具体的には、
- 店前での決済ブランドのロゴ掲示
- ホームページやSNS上での情報発信
- グーグルマイビジネスやポータルサイトの情報変更
- 一定規模がある法人ならニュースリリースを行う
等が挙げられます。
ここでは、上記4つの取り組みについて解説していきます。
店前でのブランドロゴの掲示
わざわざ看板を作る必要ありませんが、店前に各決済サービスのブランドロゴを掲示しましょう。
これらのステッカーは決済サービス導入時に配布されます。
オンライン上での情報発信
ホームページやポータルサイト上での決済方法に明記することで、キャッシュレス決済が使えるお店を探している消費者の目に触れやすくなります。
飲食店を例に挙げるとオンライン上だけでも以下のようなサイトやサービス上で情報発信が可能です。
- ホームページ
- SNS
- グーグルマイビジネス
- グルメサイト
とくに、グーグルマイビジネス上の情報は、検索結果への影響が大きいため、業種を問わず変更するようにしましょう。
以下のように「居酒屋 カード決済」「居酒屋 カード払い」とグーグル検索をすると店舗情報が表示されます。

また、グルメサイトなどポータルサイト上では、検索時の絞り込み条件として決済方法の選択が可能です。
特定の決済方法に対応しているお店の特集ページが存在するため、対応決済方法の情報変更は必ず行いましょう。
一定規模がある法人ならニュースリリースを行う
複数店舗展開する法人や、知名度の高いお店の場合、ニュースリリースを行うことでメディアに取り上げられる可能性があります。
これはキャッシュレス導入に限らず、コロナ対策を徹底していることを周知させ、安心感を消費者に与える上で効果的です。
具体例を挙げると「サイゼリア」の取り組みは、ニュースやSNS上で目にしたことがある方も少なくないのではないでしょうか?
こうした取り組みは感染対策として本当に効果があるかより、
「コロナ禍に最適化するための取り組みを行っていること」
を印象付けることが目的です。
いち個人店が取り上げられるには、相当インパクトがある取り組みを行う必要がありますが、店舗展開をしているお店であればメディアに取り上げられる可能性も決して少なくはありません。
ニュースリリースは直接メディアに対してメールやFAX送信を行う以外に、
「PR Times」「@Press」といった配信サービスから簡単に行うことができます。
【まとめ】コロナ禍に最適化した店舗にキャッシュレス化は必須
コロナ禍において、「お客さんが安心して利用できるお店」という認知を広めることは非常に重要です。
その一環としても、消費者のニーズとしてもキャッシュレス決済導入は必須と言えます。
この記事で紹介した全てのキャッシュレス決済は、導入費用が掛からず、複数の決済サービスの併用も可能です。
コロナ禍に最適化したお店作りの一環として、この機会にキャッシュレス導入を検討してみてください。